その北嵩み砦 平成19年11月17日 所在地:鳥取市円護寺
午後2時から外出するつもりが3時からとなり、日の短いこの頃は近場しか歩けない。円護寺墓地の駐車場に車を停めて歩き出す。

しばらく羽柴秀長の陣所周辺を歩いたが、これは秀長の陣張りを知りたかっただけでなく、吉川経家墓所の駐車場が近くて便利だったからだ。

少し気分転換に秀吉包囲網に対抗した吉川経家陣の郭も歩きたい。題名の「その北嵩み砦」とは鳥取市の城郭研究家吉田浅雄氏の分類で「千人返し峠北の砦」の「その北嵩み砦」という意味。逆に「道祖神上の砦」から見れば「道祖神上砦の東の砦」とも言える。
いつもは円護寺墓地の駐車場を山側に登るが、今日は横方向の道を選んだ。
結局同じ場所に出る。
墓地から道に登る。通行量が多いので車に注意する。
十神林道(外神林道)に入る。
A点のカーブミラー。
この地点で林道下に降りてみる。少し削平された様な跡もあるが、郭と断定できない。
少し戻ってB点の下に降りてみる。ここも削平されているようではあるが郭と判断できない。直ぐ近くに人家もあり他の用途に斜面を加工する場合もあるからだ。
斜面を下に降りると道路手前に溝が掘ってある。幅3m程だろうか。これは車社会以前の道路のようだ。

面白いことに反対側は工事を途中で止めてあった。左側の道路横の方に掘った土を積み、高さ2m程の土塁状の物が出来ていた。
斜面を上に戻りながら遺構を探す。少し削平地っぽい。
しかし谷の部分の反対には近世の石垣がある。先程の削平はこの石垣工事の作業場なのだろうか。
もう一度A点に行き山側の斜面を登ってみる。

急傾斜に少し平らな部分がある。しかしこれに繋がる道でもなければ遺構とは言えない。高さ十数m登ったが遺構は発見出来ませんでした。
道をさらに進み次のカーブミラーのC点に行く。道の山側は切岸状で登れない。
その先この地点で右の斜面を登る。
水平にトラバースして尾根に乗る。

尾根に少し削平の跡がある。写真奥の尾根の部分は残して手前が少し削ってあるようだ。見張り場かも知れない。

山の頂上に砦を築き、下に何段か郭を構え、さらにその下の見晴らしの良い場所に斥候として2〜3人の人間を置いておく。敵が攻めてくればその場で応戦するか、急いで駆け上り砦に応援を求める。
尾根はしばらく自然状態だったが、上に近づくにつれ人の痕跡が現れてくる。写真では藪のように見えても明らかに人が歩いている。
真ん中に道が出来ています。結構人が通るようです。
こちらも真ん中が道です。
岩が見えています。地岩か石垣か確認しませんでした。ボケています。
地岩が自然の要害となっています。あまり高さはありませんが、左方向からの通行を妨害します。
岩の上です。ここに兵士がいたのでしょう。
さらに上には石垣が。

いやこれも確認しませんでした。痴呆がかなり進んでいます。

この際石垣にしてしまえ・・・・。
主郭の東の郭。尾根をコの字状に削り残し土塁としています。この土塁は高く良い作りです。

土塁は南の鳥取城側に向いています。砦は西の道祖神方向からの攻撃には何段の郭を築いて備えていますが、南のE千人返し峠北の砦との間を攻められた場合を考え、郭を設けず土塁のみで対応しようとしたのでしょう。
土塁の中から一段上の主郭との切岸を見る。
D点の「その北嵩み砦」主郭部分。画面左は鳥取城側で土塁が築いてある。
土塁部分の拡大。一段下の西の郭にも鳥取城側に土塁がある。

この後道祖神上の砦に下り、さらに道祖神の峠の旧道で円護寺墓地に戻りました。
今日歩いたコース。
 P 円護寺墓地駐車場
 A 1番目カーブミラー
 B 手前尾根
 C 2番目カーブミラー
 D その北嵩み砦
 E 千人返し峠北の砦
 F 千人返し
 G 道祖神上の砦
ホームに戻る 歴史トップに戻る