カンアオイ
和名:寒葵 ウマノスズクサ科 カンアオイ属 多年草 平成20年4月11日
カンアオイは不思議な植物だ。植物で花と言えば綺麗な目立つものが多い。ところがカンアオイは葉の根元の地中に花をつける。上の写真も落ち葉をどけて花を撮影した。

調べていただければわかるのでここでは書かないが、その受粉も種の拡散も他の植物から見ればとてもまだるっかしい方法だ。カンアオイはギフチョウという原始的な蝶の食草でもある。この植物しか食べないのだ。ギフチョウはスプリングエフェメラルと呼ばれるカタクリの受粉を助ける。カンアオイやギフチョウそしてカタクリと、とても微妙な生命の連鎖が見えてくる。繁殖力の弱い物同士が繋がっているのだ。生命の神秘と言って良い。

割に身近な植物なのだが、その地味な生態のためか他の植物に淘汰されやすい。人の手が余り入っていない所に多いようだ。鳥取市の久松山では中坂道には見えないが、東坂道の下り始めに一株生えていた。北側斜面には何株かまとまって生えている所もある。手近な場所では樗谷神社の鳥居を過ぎ正面の林に入ると生えている。神社という環境が守っているのだろう。その先の遊歩道脇には全く生えていない。

H18年4月26日鳥取市摩尼山で撮影。
カンアオイは斑入りの強いものとそうでないものがある。

特に新しい葉は斑が明瞭だ。

H18年5月12日鳥取市樗谷。
斑入りなら少しは目立つが、斑入りでなければ全く地味で目立たない。葉の形も個体毎に違う。

H18年5月12日鳥取市樗谷。
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