氷ノ山 仙谷 2 平成18年9月3日 所在地:鳥取県若桜町・兵庫県養父市境 標高1510m
渓を進むと目立つ花が咲いていました。絶滅危惧T類のメタカラコウです。オタカラコウは渓流を歩くとよく大群落を目にしますが、メタカラコウはとても珍しく、若桜町と三朝町だけに生えています。

昨年この渓で葉を見つけていたのですが、花がないと確証がなく見に来たのでした。今日の目的の一つです。

帰りにオタカラコウの群落を見に行き比較しました。メタカラコウは葉が三角形になるといっても、オタカラコウも三角っぽいのもありました。ただオタカラは葉の大きさが60cmもある物もあり、迫力は桁違いでした。
今日歩いていると、昨秋は無かったペンキの印が、樹木や岩に沢山付けてありました。仙谷は道が判りにくいところもあり、有り難いことです。
尾根に登るとツルリンドウの花が咲いていました。実は目立つけれど、花は地味です。
この近くで昨年見たアケボノシュスランは、登山道の刈り込みでネマガリタケと一緒に刈り取られていました。けれど、また新しい芽を出しており、何年かすれば元に戻るでしょう。

登山道脇に生える植物は結構したたかです。チシマネコノメもそうで、一番密生しているのが登山道脇です。刈り取られても、日当たりが良くなり、残った物の成長が早くなり増えます。
絶滅危惧U類の植物を刈り取るといえば問題のようですが、他の草を刈らないと覆われて日陰になり成長できません。
登山道にヤマジノホトトギスがありました。
ブナの林を歩きます。
尾根の仙谷口に近づきます。ネマガリタケが増えてきますが、まだ細く高さも高くはないです。
しかし、植物散策をすると立ち止まってばかりで運動になりません。矛盾は判っているけれど、植物にも興味があるし山も好きです。
甑岩はガスがかかっています。今年の山はガスが多く、見晴らしの良い日に当たりません。
山頂のモニュメントの位置が、6月に来たときと変わっていました。私の右後ろにあった物を、小屋前の他のモニュメントとまとめてありました。
今日のもう一つの目的です。山頂を三ノ丸に少し下りたところに、千年キャラボクがあります。以前見たことがあるのですが、その奥に万年キャラボクと呼ぶ、更に大きなキャラボクがあるとのこと。ネマガリタケが刈り込まれてその姿が見られました。

直径数十センチの幹が雪で倒れ、その場所で新しく根を張り、また倒れて根を張っています。どれだけの年月を生きてきたのでしょう。枯れた幹が時間を感じさせます。これも氷ノ山の主です。
若桜町天然記念物に指定されていて、幹には苔も生えています。キャラボクがこんなに大木になるとは知りませんでした。

キャラボクはイチイの変種で、鳥取県では大山と氷ノ山にのみ生えており、分布西限です。
山頂周辺を散策し、遅くなったので下山します。アレッ、ガスが薄くなってきました。

この山頂の道の正面に、昔の道があったそうですが、ネマガリタケの繁殖で通られそうにはなかったです。
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