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 扇ノ山 クマの爪痕 平成25年12月31日 所在地:鳥取・兵庫県境
扇ノ山の河合谷登山道の標識。

写真は平成22年11月に撮影。
この標識は、平成23年12月に新しい物に付け替えられた。
小ズッコ登山口方向を示す板にはクマの爪痕らしい痕跡があった。この厚い板を爪で引っ掻いたのだろう。

この力で人間の身体を叩かれたら肉がえぐれてしまう。
こちらは姫路公園コースの檜蔵手前の標識。標高1140m位か。尾根の急登が終わり道が緩やかになった場所にある。

これは平成25年撮影。
標識の左側に爪痕がある。泥で拭ったような跡もクマのものだろうか。
同じ標識の山頂側はひどく傷つけられている。

下は爪痕だろうが、上は倒木がぶつかった跡だとおもっていた。

しかし良く見るとおかしい。クマがかじった痕のようだ。
上の写真の拡大図。真ん中にあるのは牙の痕のようだ。

人間は柔らかい物を食べ続け歯が退化した。しかしクマはこんな厚い板を砕く力を持っているのか。手の指の骨なんか簡単に砕きそうだ。

扇ノ山で周りの樹木を見ても、なかなかクマの痕跡は見あたらない。人間が立てた標識に八つ当たりしたのだろうか。

やはりクマは怖い。とても生身の人間では太刀打ち出来ない。ヘルメットやプロテクターを付けても身を守れない。

それに、クマは足が4本もあるから、人類史上最速の男ウサイン・ボルトより速いらしい。急傾斜でも駆け上がれるし、木登りはとても上手。出会ったら勝ち目は無い。

扇ノ山でクマによる事故が少ないのは、あちらが気を付けてくれているからだ。
最初に書いたが、平成23年12月に河合谷登山道の標識は、英語・ハングル併記の標識に替えられた。

ところが、それから直ぐ平成24年の豪雪で、標識は一冬で壊れてしまった。平成23年も豪雪だったが24年はさらに凄い雪だった。鳥取県でも一番の豪雪地扇ノ山では場所によっては4mも積もったらしい。

標識は雪の重みで真ん中から折れてしまい、折れた部分を少しノコギリで切り、釘で標柱に打ち直した。

写真は平成24年6月10日に撮影したが、少し前の5月23日に扇ノ山で登山者が一人行方不明になり、捜索に自衛隊も動員したが見つからなかった。平成25年末の現在でも行方不明のままだ。

5月23日当時は、山頂周辺は場所により1m程の残雪もあり、登山道がわかりにくかった。標識が壊れていたのが遭難の原因ではないが、そう言われないように緊急で標識を補修したようだ。
上地コース分岐の標識も折れ。
山頂の標識も折れた。
ところが折れたのは全部両袖式の標識版で、片袖式の板は少し亀裂が入っても折れなかった。

これは積もった雪が圧雪になっていく時に、片袖式だと力が上手く逃れてゆくからだろうか。
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