地獄谷西尾根砦1 平成19年4月1日 所在地:鳥取市円護寺
吉田浅雄氏の「因幡 鳥取城跡要図」を見ると、先週敗退した地獄谷の西尾根に曲輪群が描いてあります。見たことがないので行ってみます。名称は不明で地獄谷西尾根砦と仮称します。
いつものように円護寺に駐車し、千人返りの道で十神林道に上がり左折する。この辺りは林道工事で切岸のようになっており、山側に登れるポイントは少ない。千人返りと地獄谷の中間地点に何ヵ所か左のようなポイントがある。

単なるイノシシの獣道で、人間の道でないので枝が顔にぶつかります。もちろんイノシシの足跡だらけですがないよりましです。入るときは散々怒鳴り散らしてからお入り下さい。先日私は十神林道終点近くで上からイノシシに鳴かれました。
入って尾根に取り付きます。檜の植林地で、日当たりが良いのか低木が繁り歩きにくいです。

イノシシの足跡を丹念にトレースしてください。
尾根に乗ると曲輪があります。左は判りにくいですが石列です。石垣ではないが、段差に石を配したようです。自然の石とは思えませんでした。
主郭手前の曲輪。
この辺りから低木が少なくなります。
主郭部分です。

削平は甘く傾斜していますが結構広いです。左には腰曲輪もあります。
上の写真左奥から主郭を撮影。

この砦は、天正8年か9年の秀吉の鳥取城責めに対抗して築かれたのものでしょうか。
曲輪群の上部。
傾斜が強くなります。
「因幡 鳥取城跡要図」を元に縄張り略図を作成しました。

地獄谷は久松山の中で一番急峻な谷、天然の大堀切とも言えます。
縄張り略図のA地点、地獄谷に面した曲輪。

丁寧に削平されています。この郭は地獄谷の通行をかなり有効に遮断できるようです。
上の曲輪から地獄谷を見る。
ここに立ってゾクッとしました。攻撃性の強い曲輪です。落石も有効ですし、谷は矢や火縄銃の射程距離内です。少人数で防御出来て、先日撤退したポイントも丸見えです。通過するには夜に忍び込むしかないと思います。

この日は曇りでしたが、この辺で小雨が降り出し、ストロボのオープで見づらい写真となりました。

主郭部は尾根や西側の谷の遮断、この曲輪は地獄谷の遮断が目的の縄張りのようです。砦は周辺から工事し、主郭部の構築が終わらないで中断したのかも知れません。
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