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春の花々

平成22年4月
カタクリ(片栗) ユリ科カタクリ属

春を告げる花として最初にカタクリを。
スプリング・エフェメラルと呼ばれる植物。春の木々が芽吹く前に葉を伸ばし花をつけ、木々の葉が陰を作るようになると地上部は消える。ほんの一瞬の美しさ。
カタクリは晴れた日中の陽が高い間だけ花を開く。

山の中を探しやっと見つけたが、日が傾いたらこのように花を閉じていた。雨の日も大切な花粉を無くさないため花びらを閉じたままだ。
ヤマエンゴサク(山延胡索)
ケマンソウ科キケマン属

小さな花で春を告げる。葉は小さな楕円形でわずかしかない。少ない地上部に似合わない大きな花をつける。

これも木々の葉が芽吹いて日陰になると葉を枯らせる。その後は翌年まで休眠する。

バックが汚いがここは河川敷。
良く見ると左・中央・右にエビネが生えている。滅多に冠水はしないが6月になるとヨシが生えて全くわからなくなる。上手いカモフラージュだ。
ミヤマキケマン(深山黄華鬘) ケマンソウ科キケマン属

ヤマエンゴサクと同じキケマン属。春に山を歩くと大きな花穂が良く目につく。
ムラサキケマン(紫華鬘) ケマンソウ科キケマン属

ミヤマキケマン程多くない。葉はミヤマキケマンより先が丸い。
ヒトリシズカ(一人静) センリョウ科センリョウ属

道沿いによく見かける。1本で生えていることは少なく、何株か群生していることが多い。それなのにヒトリシズカという。

花のように見えるのはおしべの集まりでフタリシズカはこれが2本ある。1本だからヒトリシズカなのだ。
ヒトリシズカも成長すると春先の姿と違う逞しさがある。
イチリンソウ(一輪草) キンポウゲ科イチリンソウ属

イチリンソウの花弁に見えるのは萼片です。萼片は5枚のことが多い。ポツポツと生えるがニリンソウのような密生した大群落は作らない。

これもスプリング・エフェメラルで初夏には地上部が枯れる。割と身近な植物で標高の低い所から高い所まで生えている。花期はカタクリより遅い。
これは萼片が4枚。
萼片が7枚のものも見ました。
同じイチリンソウ属のキクザキイチゲはさらに枚数が多く萼も細長い。
ニリンソウ(二輪草) キンポウゲ科イチリンソウ属

花が二輪の事が多い。大群落を作ることが多く。白い花が美しい。
タチツボスミレ(立坪菫) スミレ科スミレ属

高い山から平地まで何処でも生えている。スミレはとても種類が多いがタチツボスミレは良く見る種類だ。
ボタンネコノメ(牡丹猫の目草) ユキノシタ科ネコノメソウ属

ネコノメソウも種類が多く分類が難しい。
ヤマネコノメソウ(山猫の目草) ユキノシタ科ネコノメソウ属

ネコノメソウの仲間でもこれは葉に特徴があり容易に見分けられる。
ミツバツチグリ(三葉土栗) バラ科キジムシロ属

独特な葉が特徴。見間違えることは少ない。日当たりの良い所に生える。
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